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平成10年度 組合等中小企業連携組織調査開発等支援事業
「閉鎖系における無農薬水耕栽培の企業化の可能性の調査研究報告書」
「T・Iパケット会」の能古島での報告書がH11年3月に完成提出

はじめに  
「夢挑戦グループA」 委員会名簿   ワーキング名簿 (省略)
「集約農業の現状と課題」(抜粋)
専門講師(県立福岡農業高校専攻科)牛嶋  孝
「所感」
専門講師(県立福岡農業高校専攻科)牛嶋  孝

第一章 閉鎖系における無農薬水耕栽培の企業化の可能性の調査研究  
T−1 日本に於ける「農業問題」及び世界の「食料事情」の現状と将来 T−2 健康問題としての食品安全性と「無農薬栽培」について
T−3 T・Iパケット式立体水耕栽培による「大量生産・省力化」の考え方 T−4 安定価格での直接販売方式について
T−5 起業化の為の「生産効率化」と今後の対策  

第二章 T・Iパケット式立体水耕栽培による「サラダほうれん草」の生産  
U−1 ほうれん草種子の「発芽率」及び「発芽率向上対策」 U−2 栽培養液の変化に対する「鉄分」の影響及びその対策
U−3 一パケットにおける「発芽本数」による生育状況 U−4 育苗マット上への播種方式の考え方
U−5 生育途上の「養護カバー」と出荷梱包材の兼用による省力化 U−6 未対策のダンパーによる「温度、光度制御」と「噴霧冷房、蓄熱槽」

第三章
 今回の事業成果と将来の課題

サラダ ほうれん草
写真集

(能古発時刻表)

pSd

目標に活動

※健康の要質※
のために


(Perfect)

完全無農薬」、抗生物質不使用の安心出来る体に良い「健康食品」を生産、出荷します


(Special)

「有機肥料」を追肥して清浄な特製の野菜本来の「風味」を生かした製品を提供します


(Dynamic)

賢い消費者の為に「安価」で「大量」に供給出来る様積極的に展開、努力します


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ここから以下は詳細項目です

「閉鎖系における無農薬水耕栽培の企業化の可能性の調査研究」

報告書


  • はじめに

    21世紀を目前にして、「食糧問題」は世界のシンクタンクが各種データを駆使して指摘している様に大問題になり、且つ食料不足に伴う「飢餓状態」は全世界を襲う可能性があります。
    今こそ、新しい発想の食料生産方式を確立しなければ21世紀の食生活は危険な状況に成ります。

    特に、日本の農業は自給率の低下に見られるように

    ★ 農業就業の後継者が育たないまま高齢化し、その結果農村は過疎化し、構造的に衰退の道を進んでいます。

    ★ 生産者に洗浄、繕い結束、包装等の徹夜作業を伴う出荷前の無駄な労力によるコストアップと過重労働。

    ★ 自然環境の変化に影響される露地栽培が大部分で、且つ零細兼業農家の家内労働を中心とした低労働生産性及び、年間農業総収入の低さ。

    ★ 農薬使用規制の基準が甘く、農薬を大量に散布し、「虫」の食べてない形の良い品物だけを揃えて出荷するのが常識となっている、この「非常識」さ。国民の健康は誰がどの様に守ればよいのか

    ★ 輸入国の人災や天変地異、台風干ばつ等の自然災害の恐ろしさなど考えない、目先の低コストだけで「輸入食料品」に頼りっきりの無策ぶり。産業構造の変化や人口増加による世界的食料不足時代が21世紀には指摘されているのに。

    世界の「食糧問題」は日本にも確実に波及します。
    今後の農業の課題として、食料生産のスタートラインに位置する農業従事者が先ず、確実に利益が上げられる組織改革(解体)及び真の「生産者利益優先」の生産性向上の確立の為の研究及び其の育成、支援等に重点を置いた施策に取り組む必要がないだろうか。

    ”夢挑戦”グループA 代表 池城 辰雄


  • 「夢挑戦グループA」
    委員会名簿
    ワーキング名簿

    (省略)


  • 「集約農業の現状と課題」(抜粋)

    資料提供 専門講師(県立福岡農業高校専攻科)牛嶋  孝

    1 はじめに

     わが国の農業は限られた経営耕地面積の中で最大の収益を上げるよう、様々な労働集約型の農業を発展させてきた
     ここでは大約農業の典型でもある施設園芸および養液栽培の現状とその問題点について調査したので、その結果を報告する

    2 わが国の施設園芸の発展過程

     わが国の施設園芸が本格的に発展したのは戦後になってからであるが、所得向上に伴う消費の周年化等を反映した昭和40年代以隆の発展は著しく、昭和35年当時5千haを超えるまでになった
    また、その間に石油危機を経て、二層被覆、複合環境制御といった省エネ技術や、養液栽培のような新たな技術が実用化されてきた(図l省略)
     昭和50年代以降をみると、雨よけ栽培やトンネルといった簡易な施設化が進んだが、現在、簡易施設化は一段落し、頭打ち傾向にある
     また、同時に進んだコンピュータ制御等の最新技術を取り込んだ施設の高度化は、現在も順調に進みつつあるが、なお、その全体に占める割合は小さい(表l省略)
     他方、施設園芸農家個数は、昭和60年頃をピークにやや減少傾向にあり、近年の施設園芸の拡大は、農家の減少を上回る速度で進む一農家当たりの施設面積の拡大によることがわかる(表2省略)
     農家1戸当たりの園芸施設の規模は、ガラス室、ハウスともに全体の面積の増加に伴い順調に拡大している(図3省略)
    例えば、昭和45年から平成7年までの間に、露地野菜の作付け面積の規模は1.4倍にしか拡大していないが、施設野菜は2.5倍に拡大しており、花きもほぼ同様に拡大している

    3 わが国の施設園芸の抱える課題

    (1)労働過重

     施設園芸の中心であるトマト、きゆうり、いちご等の果菜類生産における労働のピークは収穫作業にあるが、その機械化は当面、技術的に困難である。このため、施設園芸農家は、他の農業分野に比べ長時間労働を強いられている(表3省略)
     更に施設内は高温多湿の状態に置かれており、労働環境も厳しい状況にある
    このような労働過重が主な原因で、施設園芸は収益性が高いにもかかわらず、いちご等の品目で栽培面積が減少していると言われている

    (2)施設の高度化の遅れ

     わが国の施設園芸は、面積的には世界に冠たる規模にあるものの、その主体はパイプハウスであり施設の高度化が遅れている。このため、施設園芸農家の経営を他の農業分野と比べた投資額は大きくない(表4省略)
     これが、労働過重の緩和やコスト低減が進まない原因となっていると思われる

    (3)環境問題

     施設園芸における環境問題としては、施設園芸農家から排出される使用済みプラスチックフィルムの処理問題が最大の課題であるが、この他にも、肥料・農薬の集中的施用に伴う地下水汚染、養液栽培で使用されるロックウールや廃液の処分等の新たな問題の顕在化が懸念される

    4 わが国の施設園芸の将来展望

    わが国の施設園芸は、以下のような有利な点があり、今後、さらに発展する可能性を秘めている

    (1)収益性が高いこと等から、他の農業分野に比ベ、多くの新規就農者がいること

    (2)品目により異なるものの、家族労働を前提にした場合には、最大の経営規模は5千m2程度と考えられることから、経営耕地面積の不足が規模拡大の制限要因とはならない場合が多い

    (3)輸入農産物の多くは露地野菜であり、現在までのところ輸入野菜の影響が小さい

     このような利点を生かすためには、今後も規模拡大を進めるとともに、前に述べた課題に対応できるような施設の高度化を進める必要がある。そのためには、現在の割高な建設コストの低減を図るとともに、高度な施設に見合った新たな生産技術を確立する必要がある

    5 ヨーロッパにおける施設園芸の現状

     才ランダをはじめとして、デンマーク、ベルギー、イギリスなどの国々では、園芸生産は国内自給のみならず、輸入品の生産を目的とした産業として位置づけられ、国際競争の中で、絶えず生産性向上の努力を行っている。その結果として、施設園芸は年々その経営現棋を拡大し、生産コストが低減してきている
     オランダにおける温室面積は、現在約10,000haである(表5省略)。1960年における農家の施設規模は0.25haであったが、その後生産者数は減少を続け、生産者当たりの施設規模は次第に大きくなって平均では1990年に0.62haである。オランダの施設園芸農家数は、2050年には現在の60〜70%に減少し経営規模は3〜4ha以上でないと経済的とはならないかもしれない、という予測がある
     また、ヨーロッパ諸国では一般に労賃がかなり高く(表6省略)。施設園芸では生産コストの中で最も大きな割合を占めるために、この低減が大きな課題となっており、生産システム、搬送システム環境調節システムなどで、労賃の低下を目的としたシステム化が非常な勢いで進行中である。 特に、鉢物生産ではライン生産の方式を取って、人力に依存する作業は極めて少なくなっている
     また,労働環境に対する配慮もかなり進んでおり、生産のシステム化は作業姿勢の改善や、重労働の軽労働化にも役立っている場合が多く見られる
     システム化を進めるに当たってはある程度の規模が必要条件となるために、大規模化とシステム化は同時進行している。大規模化を進めるに当たっては施設建設費が問題となるが、オランダの施設建設費は、わが国のそれと比べて驚くほど低く、日本国内にも輸入され、オランダ式温室が増えつつある
     施設の大規模化と高度システム化の行き着くところは高い生産性であり、ヨーロッパの施設園芸では土地生産性、労働生産性においても非常に高いものが実現されつつある
    北西ヨーロッパ諸国でのトマト生産の例を見ると10a当たりの果実収量は1970年で21tであったものが、19906には45tとなって、わずか20年間で2倍以上に増加した
    このような高い生産性は

    1)養液栽培用の高収量トマト品種の開発

    2)養液栽培の普及による着水分管理の均一化と適正化

    3)ガラス温室の高さや構造の改善による施設環境の変化

    4)コンピュータの導入による管理の省力化

    5)天敵や受粉昆虫の利用、などが理由と考えられる

    また、その他の大きな要因としては研究者と生産者、企業が一体となって努力した成果でもある
     一方、ヨーロッパの施設生産にとっても、環境対策は重要視されている。オランダではNationa1 Environmental Policy Plan(1989)や、Agricutural Structure Memorandum (1989)などで、環境改善計画を実施しようとしている
    前者では安全で、持続的で、かつ競争力のある園芸生産の達成を目標とし、後者では温室栽培者に対して作物を土壌から隔離した閉鎖系で栽培することを義務づけている
    1994までに温室栽培の野菜と鉢物では80%、花では30%を閉鎖系栽培に、30%を培養液循環式にしている
     1991年に策定されたMulti-year Crop Protection Planでは

    1)病害虫防除について農薬依存を減らして生物防除を拡大すること

    2)農薬散布の器具や方法を改善したり、散布頻度を減らして農薬の使用量を減少させること

    3)農薬の地下水、表流水あるいは空中など周辺環境への排出を抑制すること。

    などの指針が示されている
    農薬使用量を1995年には全体で35%減らし、2000年には農業全体で50%以上減らさねばならない
    養液栽培では培養液を循環利用するために、培養液の殺菌処理が必要となる。 殺菌法としては、熱処理、紫外線処理、オゾン処理、膜による濾過処理、ヨ一ソ処理、過酸化水素処理などが検討されている
    ヨーロッパにおける施設園芸の試験研究や普及事業は厳しい状況に置かれている
    イギリスでは、試験研究機関や組織の規模縮小あるいは民営化が進みつつあり、普及事業についても同様な動きがある
    この動きは、デンマークやオランダ、ベルギーなどでも進みつつあり、全体として国家予算の削減、民間資金の導入、仕事の効率化がはかられている
     一方、補助金は基本的には政府から農家への財政的支援は少なく、借金の利子補給1〜3%がある程度である。しかし、デンマークでは省エネルギー、環境対策の施設には補助金制度があり、また、新農業者に対する助成制度もある

    6 養液栽培の現状と今後の課題

     日本国内の施設設置状況(表7省略)と、それに占める養液栽培の施設設置状況について現状を調査した
    平成3年の設置面積は野菜、花き、果樹の合計で4万7千haであり、そのうち野菜が3万5千haを占めている。 これは引き続き増加傾向にあるが、以前と比ベ、野菜や果樹では伸び率が鈍化傾向にあるのに対して、花きでは引き続き安定的な伸び率を示している
    特に花きではハウス設置面積の伸び率が高い。その中で養液栽培の設置面積は平成3年473haであり、平成元年比で127%と著しく増加している
     野菜、花きの施設全体の施設面積41,311haに占める養液栽培の割合は、平成3年においても1.1%に過ぎないが、昭和62年0.8%、平成元年0.9%、平成3年1.1%と、その割合は漸増してきている(表8省略)
     これを野菜、花き別に見てみると、野菜では昭和62年0.9%、平成元年1.0%、平成3年1.2%と増加程度は大きくないが、花きでは昭和62年0.2%、平成元年0.4%、平成3年1.0%と、養液栽培が占める割合が大きくなってきている
    平成3年における方式別養液栽塔の設置割合を見てみると野菜ではたん液型54%、次いでNFT、ロックウール、れき耕の願である。一方、花きではロックウール72%、以下たん液型、その他の固形培地、れき耕の順である
     野菜、花きともにロックウール栽培面積の伸び率が高く、特に花きでの伸び率は著しい
    また、野菜の場合、固形培地耕24%、水耕75%で、水耕主体であるのに対し、花きでは固形培地耕85%水耕10%で固形培地主体である
     方式別の設置面積を県別に見てみると、たん液式では、愛知、千葉、静岡の順で、この3県で全体の46%を占めている
    NFTでは、千葉、愛知、静岡、福岡、ロックウールでは愛知、栃木、山梨、和歌山、静岡の順となった(表9省略)
     次に養液栽培の作物別栽培面積はみつば、トマト、カイワレダイコン、サラダナ、ねぎ、きゅうり、いちごの順に大きい
    みつばの場合、露地を含めた栽培面積は1,305haであるので、養液栽培がそのうち4〜5割を占めており、生産割合が野菜の中で最も大きいと考えられる(表10省略)
    昭和60年から平成3年の6か年間の栽培面積の増減については、おおむね以下のとおりである

    (1)増加傾向:トマト、サラダナ、ねぎ、いちご、特にサラダナの増加が著し い

    (2)やや増加:みつば

    (3)やや減少:きゆうり、温室メロン、カイワレダイコン

    (4)減少傾向:一般メロン

     一方、養液栽培実面積は、トマト、みつば、きゆうり、いちご、ねぎ、サラダナ、カイワレダイコンの順となっており、トマトだけで全体のほぼ半分を占めている
     最後に養液栽培をめぐる今後の課題について述べる
    近年、野菜生産全体で労働力不足の進展に伴う生産力の低下が懸念されているが、施設野菜においても管理労働の過重、機械化、省力化の遅れ等が問題であると考えられる
    また、養液栽培の健全かつ継続的な発展を期するためには、環境保全面に留意して推進することが非常に重要である
    使用済み養液については循環利用を行ったり、使用済み培地の処理についても、農業用廃プラスチックと同様に産業廃棄物として農業者自身が責任をもって処理する必要があり、外部環境に負荷を与えることのない持続的な生産体系を構築する必要がある


  • 「所感」

     専門講師(県立福岡農業高校専攻科)牛嶋  孝

     この度、夢挑戦交流会の水耕栽培グループは福岡県中小企業団体中央会の支援のもと、ベンチャー企業の育成を目的に発足しました。私は水耕栽培の研究を始めて10年以上が経過し、今回の池城さんを中心とする9名の方々のアドバイスを仰せつかり参加させて頂きました

     このメンバーは各分野、各方面の経営感覚、専門的知識技術を持たれた方々ばかりで、まさに異業種間交流の場となりました

    初回の会合では、池城さんの考案されている「T・Iパケット式立体水耕栽培システム」の紹介と日本における水耕栽培の歴史とその流れについて話しました
     2回目の会合ではTI立体水耕システムの特徴を生かして生育期間が短く、光線の影響が比較的少なく、量産可能な「ホウレン草」を栽培することになりました

    規模、施設設備などの面でかなり議論がありましたが、1つの方向性を見出し、現在ホウレン草がすくすくと生育致しております

     ホウレン草にとって冬季から早春にかけての作型は生育環境が最も適しており、最も栽培が困難な夏季栽培は今後の課題となっております
    この立体水耕システムでホウレン草ができることは確認致しましたが、「できること」と「つくること」すなわち栽培することは別ものです

     起業化するのに、今までになかった、ハイテク「立体水耕システム」によって、イチゴなどの果菜類などの栽培試験を行なったり、幅広くいろいろな種類を栽培し、植付け、収穫などの体験、食感を味あい、果物から発せられる香気を楽しむことが、閉鎖系の建物の中で可能なことを売り物にする事も、ひとつの方法です

     自然環境に大きな負荷のかかっていた今迄の現代農業に対して、閉鎖型温室の中での栽培は「安全」で「環境にやさしい」最新の農業形態であることをPRする。 また、そこで「団欒の場所」を提供する
    博多湾の中に浮かぶ能古島のゆったりとした時間の流れと、島特有の豊かな自然を背景に多くの方々が「観光農園」としてエンジョイする可能性が生まれます

    最先端技術を駆使した施設の中で、年中、安全な野菜、果物が収穫でき、新しい発想の「観光型農業」の可能性が観光の島「能古島」から生まれます

    従来の第1種、第2種、第3種の産業分類から脱皮し、「産業の高次元化」をねらい、新しい時代に即応した斬新な「業」を起こす
    これぞ夢挑戦グルーブの目標としている所ではないでしょうか
    今回のこの取り組みは、その芽が大きく膨らみつつあります
    その成否は取り組みの継続とその方向性にかかっていると考えます

    最後になりましたが、夢挑戦グルーブの方々の益々のご発展とグルーブを支援して頂いた福岡県中小企業団体中央会の林優一所長様をはじめ関係職員の方々に心から御礼申し上げます


    》》《《T・Iパケット会》》《《
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  • 第一章 閉鎖系における無農薬水耕栽培の
    企業化の可能性の調査研究


    1. T−1
      日本に於ける「農業問題」及び世界の「食料事情」の現状と将来

      日本の農業は自給率の低下に見られる様に、今や海外からの輸入食材に頼っているのが現状です

      明治以来の「工業至上主義」により豊かな経済大国になったお陰で、食料品は東南アジヤ、中国やアメリカ、オーストラリア等から大量に輸入され、其のお陰で国内農家は壊滅的打撃を受け、崩壊の一途を辿っています

      零細兼業農家の家内労働を中心とした労働生産性の低い日本農業では輸入価格には対抗出来ず、現状のままでは、21世紀の国民の食料は国内生産する事は困難になるでしょう

      地球規模で見渡せば、「自然現象」の変化が、今はCO2による地球全体の温暖化、エルニーニョ現象に見られる様な海洋異常気象、局地的に起こる洪水や干ばつ等「異状現象」に為りつつあります

      又、自然現象そのものを利用して来た農業生産は、この様な異常気象の影響で収穫は翻弄され、農家収入は打撃を受け、離農者を増やすばかりです

      現在の東南アジヤや中国に見られる変化は、戦後日本が歩んだ様に都市部に離農者を吸収して工業化を加速し、益々農村の過疎化に拍車をかけている状態です。 近隣諸国での過激な政変、地域紛争や輸入先諸国の天変地異、台風、干ばつ等の自然災害や人災が勃発したら世界の食料事情は激変します

      日本以外の諸外国では「人口は増加」の一途たどっています。異常気象による農業生産物の減少、過疎化による農業就労者の減少。しかし、食糧を必要とする人間は世界が平和である限り、増加を続けます。この食料不足に伴う「飢餓状態」は将来全世界を襲う可能性があります

      今こそ、食料生産に「自然環境の変化に影響されない、大量生産方式」の新しい思想が必要です


    2. T−2
      健康問題としての食品安全性と「無農薬栽培」について

      人間の身体は親から受け次いだ遺伝子に左右された組織で構成され、其れを正常に維持する為に外部から「食料」として毎日栄養分を取り入れなければなりません
      「遺伝子に突然変異」を来たさない安全性の確保された栄養分を摂取し、生命維持活動の中では不慮の事故である病気を引き起こさない、安心して食べられる食料品を確保、摂取する事が重要です。(この事を「健康の要質」と言う)

      人工的産物である石油化学製品は今や日常生活に浸透しているが、其の中にはダイオキシン,PCB等人体に有害な物も少なく有りません。これらに汚染された農作物、家畜、魚などの食料品が如何に多い事か

      又、人間サイドから見て「害虫」と言われる昆虫や微生物を農薬、防腐剤、抗生物質で絶滅を図り、共存可能な「有用な生物」までも殺菌し、農薬散布を繰り返し、地球上から消滅させる事が人間だけの特権として許されるだろうか
      彼らからの反逆、逆襲が「突然変異による耐性」と言うかたちで、そう遠くない将来に必ず来て我々を悩ます事でしょう

      「食品の安全性」を考える時、現在の情報公開の出来ていない日本社会では非常に困難だとは思いますが、先ず第一はダイオキシン,PCB、農薬、防腐剤等に汚染されていないか、食材を生産現場からチェックを始め、流通過程での安全性をチェックして、安全で良い物だけを選んで食べる事です。(現実には不可能でしょうから、最低これらの毒物が極微量の物を探すしかありません)

      第二は「害虫」と言われる昆虫や微生物を避けて、農薬や消毒薬を使用しないでも済む栽培環境で、十分な栄養分で育てられた作物を生産し、安全性を確保する必要が有ります

      「T・Iパケット式」は、この様な観点から害虫、昆虫が侵入しない様に壁も天井も多重に密閉しながら、太陽光も光合成に利用しています。 又、万一の病気の発生を最小限度に食い止める為に栽培養液を何区画にも分割しています

      今「健康の要質」を確保する為の安心して食べられる食料品をどんな方法で確保するか、その答えを「T・Iパケット式立体水耕栽培装置」は示唆しています

    3. T−3
      T・Iパケット式立体水耕栽培による「大量生産・省力化」の考え方

      現在の食料品の大部分は東南アジヤ、中国やアメリカ、オーストラリア等から大量に輸入されていますが、後者を除いた地域の「人件費」は日本の何っ分の1又は何十分の1の低さです
      同じ野菜を人件費の高い日本で生産しても輸入品に価格面で当然負けます
      輸送に絶えられる根菜類や冷凍可能な食品は無農薬で防腐剤等使用していず安全でさえあれば(???)消費者としては価格の面で輸入品に手を出すと思います

      しかし、鮮度を優先する葉菜類やイチゴ等は消費地の近郊の生産に限りますが、値段が高い上に農薬漬けではメリットが有りません

      T・Iパケット式は立体化する事によって大量生産を行い、消費者に低価格で野菜の不足する夏場でも機械冷房を使用せずに自然エネルギーを応用して周年提供する方法を確立しました

      今回設置した半自動式プラントでは、最低層部の水路は横に接触する程の間隔で並べ、発芽直後の種子を入れたパケットを6cm間隔で並べ8個を1グループにして架台にセットし、連結します
      水路下流にパケットが成長しながら水流に乗って到着したら、間隔を広げて、上段へ移設します
      それぞれ上段へ移設しながら成長に応じて間隔を広げていきます
      又、水路も上に行くに従って間隔を広げて光合成が充分に行われる様にセットして有ります

      今回は既存施設を利用させて頂いたので、2.2mの高さ制限が有りますが、その中にサラダほうれん草用に6段の棚を設置しています

      1段目の水路は8列、2段目が6列、3段目が5列、4,5,6段目が4列並べ、約1m幅に納めて、これを2ユニット配置し、水路の長さが各10.8mあります。(約22m2)

      この中に約10,000個余のパケットを浮かべ栽培する生産方式です
      大量生産する事によりコストダウンを図り、低価格の輸入品にも対抗しつつ周年栽培を目指し、プラント設備自体は既存製品を利用して日本の生産者が安い設備投資で採算が摂れるシステムである様に工夫した装置です

      大量生産と共に播種機のパケット及び、架台を規格化し、又、発芽発根促進用の温水噴霧可能の多段式育苗ボックスの省力化の工夫もしました
      この装置では面積当りの「増収」と軽作業による作業効率、省力化を達成しました


    4. T−4
      安定価格での直接販売方式について

      野菜栽培には「豊作貧乏」と言う困った言葉があります
      現在の農業の主体は露地栽培が大半の為に自然環境の変化に左右され、自分達の産地が台風、干ばつ、水害、冷害等に遭えば困窮する反面、他の被害の無い産地では物価は上がり、増収になります
      又、好天に恵まれ作物が豊富に収穫されれば市場までの輸送費も出ない有り様

      野菜は生鮮食品がゆえに鮮度が落ちたらゴミ捨て場行きになる為、生産者のコストを無視した買手市場の価格設定の仕組みが有り、農家以外の上流部門の流通関係者だけは確実に利益が確保出来る組織構造になっています。 今迄の長年の習慣だから、改善改革もしていません。しかし、此処が最大の問題ではないでしょうか
      野菜栽培はバクチと同じで、年によって当たれば儲かり、大方は大損害を出しているのが現状です

      この「生産形態」と買手市場の「価格設定」の仕組みを大改革する工夫と創意が今求められています

      これからの賢い消費者なら、ただ「安ければ良い」と言うだけでは満足出来ないでしょうし、又、見かけの形(真っ直ぐの胡瓜に象徴される様な物)や着色料使用で鮮やかな色合いや包装パックの美しさだけに惑わされる事無く、素材の中身の善し悪しで判断する時期に来ているのではないでしょうか。(現時点での店頭アンケートでは約3割の主婦が理解はしているが、隣に安い品物が並んでいたら、無農薬、有機栽培等の多少高い良い製品を買う主婦は1割程度で、其れも50代以上の年配の方だけとの事)

      今後は「インターネット」を活用した生産者と消費者が直接売買する形態がもっと拡大する事でしょうから、T・Iパケット式で大量生産に取り組めます。季節変動に影響されない様に年間契約を双方で結び、無農薬、有機栽培等に嘘の無い「信用」を商品として取り引き出来たら、農業環境は劇的に変化する事でしょう

      又、生産者自身も新しい発想の育苗、生産形態に着目し、効率、コスト削減、環境問題等への関心が必要です
      T・Iパケット式立体水耕栽培装置の事業化には安定した収益の確保が大事です。周年栽培の大量生産の為、直接消費者に低価格で大量販売し、無農薬の安全な品物を提供する事で信頼と安定した利益の確保が出来ます

    5. T−5
      起業化の為の「生産効率化」と今後の対策

      大量生産方式の為、起業化には生産効率化が必要です。 その為には

      1,露地栽培の様に自然環境の変化に左右される事無く、又四季の変化をコントロール出来るハウスが必要で、周年一定した生産が可能なハイテク化された設備が大事です

      2,低コストの輸入品に対抗する為には大量生産して、一人当たりの生産量を増やし単価を引き下げる努力が必要です

      3,コスト削減を行う為に種蒔きから育苗、成長、収穫、選別包装、出荷等の作業を単純化、規格化して、機械化を進め、最終的にはオートメーション化し人件費の削減に努める

      4,大量生産の必然として、生産効率化を伴いますが、特に植物栽培に於いては最適な光合成を達成する為に、光度の強弱、隣接植物間の間隔、その植物に最適な栄養素を充分含有した養液配合、その補給方法や時間調整、ハウス内の温度湿度の調整、風速、CO2の管理等の最適化に努力する

      5,生産品に無農薬、有機栽培等の付加価値を持たせ、市場価格の安定性を確保する

      6,生鮮野菜は「鮮度」が重要課題だから、都市近郊で生産し、輸送方法、距離、輸送コストの削減について検討する

      今回の作業では、予算と工期の都合で、これら諸問題を十分に達成出来ませんでしたが、今後の対策として、逐次下記事項の解決に努めたいと思います

      ☆播種、育苗、成長、収穫、梱包、出荷作業の全自動化

      ☆夏季高温対策の多層式噴霧冷房と蓄熱槽

      ☆冷、温熱生成層空間の仕切り壁とサイクル系の検討

      ☆台風対策兼用の外壁風力発電装置

      ☆単収増大の為の立体化に伴う高層ハウスと建設コスト

      ☆強烈な太陽光対策のダンパー制御と太陽光発電と補助光

      ☆オートメーション化と設備投資コストの関係

      ☆播種機の製作及び、播種機−育苗箱−水路移設の流れ作業

      ☆種子毎の発芽時の湿度制御と移植時間の検討

      ☆育成保護カバー兼用の包装カバーサイズとその固定枠

      ☆水路内滞留水の対策及び養液サイクル

      ☆養液のPH、ECの調整、成分の適正化

      ☆安定した生産作物の販売ルートの確立。等々


    》》《《T・Iパケット会》》《《
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  • 第二章 T・Iパケット式立体水耕栽培による
    「サラダほうれん草」の生産


    1. U−1
      ほうれん草種子の「発芽率」及び「発芽率向上対策」

      1998年10月から始ったハウス本体工事(写真−9,10)は未完成でしたが、内部の栽培装置が一部が完成したので、99年1月に種子を浸水発芽させ、播種しました
      発芽状態は初め数回は順調にいきましたが以後、発芽率が悪くなり困惑しました。 原因には種々のファクターが考えられるが、前田氏(ハウス所有者)の御指導のもと略解決しましたので下記の原因ではないかと思われます

      1,井戸水に浸したり、風呂の温水に浸したりしましたが、其の差異は少なく、「浸水時間」に大きく影響されているものと考えられます。 SPDR種はメーカー能書きに浸水しない様にとの記載が有ったが2〜3時間が最適でした。SATS種は24時間位が最適との結論に達しました

      2,ステンレス金網(写真−17)に種子を入れ点滴状流水に浸水していたが、種子内部への浸透が不十分と指摘を受け、ガーゼに包み水没する様指導受ける

      3,浸水後恒温室(23゜C)に、濡れタオルで直に包んで入れたら、良好であった。タオルで包んだ場合、播種が遅れると毛根がタオル布内に伸びて、取り出し時に切断されるのでタイミングが重要である

      4,タオル地も半日位で若干乾燥状態になるので、加湿噴霧するか、タオルの保護保湿の工夫が必要である

      5,当初、種子量を20gにしていたが、量をだんだん少なくしたら逆効果になり、発芽温度が低下して益々発芽不良になった。一定の発芽温度を維持する為に、ある程度以上の量の確保が必要である

      ☆種子殻の固いほうれん草では内部までの十分な浸水時間が大事である

      ☆発芽時の保湿、保温に留意し、途中時間の乾燥状態もチェックする


    2. U−2
      栽培養液の変化に対する「鉄分」の影響及びその対策

      養液循環用の給水パイプに、以前のM式の温水ボイラーで使用していたパイプとスリースバルブを再利用したら、水路に真っ赤な鉄錆が大量に流れ、壁面に付着してしまった
      養液を入れ替えたり、水路壁を拭き掃除しても長い事赤水が流れていたが、段々と水の色が澄んで来ると同時に下流の淀んだ水底に薄褐色の不純物が沈殿する様になった。掻き混ぜると拡散し透明になり、又、暫らく放置すると薄褐色に沈殿する

      一般に「鉄過剰症」はあまり起らないらしいが、今回は閉鎖系の循環である。 成分分析は出来なかったが、鉄分サビ色の行方から推測して、不純沈殿物は難溶性の「燐酸鉄」ではないかと思われます。(写真−22)

      水路に移植して4週間近く成るのに草丈の伸長が不十分で、根系の横への張りも悪い状態である。これは主要三要素の中の燐酸の欠乏症ではないだろうか。 葉色が暗緑色になったり、下葉が紫色になる典型的な燐酸の欠乏症症状はないが燐酸欠乏は体内で潜在的欠乏が起きている場合が多いと聞く。尚、使用中の肥料は他社メーカーより若干カリ成分を余分に配合したので此の事も関係するか?

      ☆対策として第1燐酸カりの葉面散布を1日2,3回行う

      ☆水路及び、養液タンクに沈殿している不純物をポンプアップして排水する

      この初回ほうれん草は通常より10日以上達っても抽だいせず、発育が遅れた

    3. U−3
      一パケットにおける「発芽本数」による生育状況

      育苗マットは4X6cmの長方形で、T・I浮力体パケット(図−2)は10x6x2hcm有り、マットを埋め込む穴を長手方向に6mmX6cm削って有ります。マットの6cm方向の中心部に発芽種子を蒔いて、パケット穴に差し込みます。(写真−17)

      ほうれん草の葉の生育形状は横に広くなる物や半立性や極立性の草姿等、品種によって色々有るので、6mmX6cm穴から生育して最適な光合成が行えるのはどの位の密度で種子数を入れたら良いか検討しました

      1パケットに10粒以上播種すると出荷適期の個々の成育状況は1乃至2本が35cm以上極端に伸びた状態の葉物と2,3本が全く成長せず、本葉が4〜5cmで発育停止した物が有ります。他の大部分の本数は多少小振りですが良く成育しています

      2〜3粒成長したパケットは徒長して葉柄のみがヒョロヒョロ伸びて弱々しく、葉は小さく商品価値がありません。(写真−21)

      SPDR種での最適な本数は5〜7本が最も良く、隣同士切磋琢磨して成長し、葉茎共良く揃っていて、個々の成育も非常に良好です。(写真−18〜20)
      収穫時の1パケット当りの重量は平均50〜60gでした。又、葉茎長は25〜30cm位です

    4. U−4
      育苗マット上への播種方式の考え方

      前項で述べたように育苗マットは4X6cm有ります。 6cm方向はパケットの6cm穴に一致させます。4cm方向はパケットの高さが2cmあるので二つ折りにして差し込みます

      播種機械の製作迄には至りませんでしたので、大きなマットを4X6cmサイズに切断して、ひとつは6cm方向中心に縦に手で発芽種子を並べました
      もう一方のやり方は機械化した時に行う要領で、マット中心に一直線に澱粉糊を塗布し、発芽種子を相当量撒いて、糊面に接着した以外の種子は払い落とす方法で播種しました

      最適な発芽本数を確保する為には糊の塗布距離及び間隔、又、糊軸の太さにより種子の接着密度が変化するので色々と試して見ました。機械化した場合はこれらが微調整可能でなければ為りません
      塗布間隔、糊軸の太さ等は機械の送りスピードとも関連するので考慮が必要です

      パケットに装着したらパケットを6cm間隔で横に並べ移動用架台にセットし、ほうれん草架台の場合は8個を1グループにして水路上に浮かべ連結します
      播種機械製作時には育苗マットは栽培作物の種子に合った基準サイズの物を連結して於いて、パケットに装着する時に分離する予定です


    5. U−5
      生育途上の「養護カバー」と出荷梱包材の兼用による省力化

      大量生産する為にはシステムの簡素化、省力化が必要になります

      水耕栽培のサラダほうれん草は露地栽培の一般のほうれん草よりも軟弱に成長します。更にT・Iパケットでは成長に応じて植物を移動移設するので、保護養生しないで移動したらソフトな葉にダメージを与えてしまいます

      移動移設時に受ける損傷を最小限に抑え、光合成に適した形状で保護しつつ、且つ、太陽光線も十分に透す様な素材でほうれん草を保護出来ないかと素材と形状の検討をしました。その上に出荷時の梱包が兼用出来れば、出荷時の時間外の繕い、結束等の重労働が軽減され、省力化に役立ちます。(写真−20)

      素材をメーカーと相談決定した後、円錐状にした4種類のサイズでテストしました。サイズの最終決定はまだ出来ていませんが、ほぼ形状、サイズの検討は付きました

      円錐状カバーを広い方を外側に半分ほど折り曲げ、其の中に葉部分を入れ、細くなった位置から根毛を出してパケットと枠に挟み固定しました

      今回の保護カバーの作業は2枚目のスペーサー(邪魔板)の挿入と同時に、二週目終りか三週目始めに取り付けました

      本葉が10cm位に伸びて、根毛もそれ以上に伸びているので取り付けに神経を使いましたので、水路にパケットを移設すると同時に保護カバーのセットを行うか、少なくともカバー固定用の金具枠だけでも事前にセットをして置く必要を感じました

    6. U−6
      未対策のダンパーによる「温度、光度制御」と「噴霧冷房、蓄熱槽」

      温度、光度制御用に製作したダンパーは一部部材が出来あがっただけで取り付け作業までは内部事情により出来ませんでした。(図−1)

      此の侭では冬1,2月でも晴天の日の直射日光が当る場所ではハウス内は33〜35゜Cに達し、ほうれん草栽培温度の限界を超えます

      ダンパー素材は不透明で太陽光を通さず、少なくとも片面は光線を乱反射させて間接光を室内に導入させる必要が有ります
      ハウスは多層構造で、その上に閉鎖密閉式なので、昼間のダンパー制御の主目的は高温対策の温度制御に置き、栽培植物の最低必要光度が不足した場合は補助光で其れを補う様にする。又、朝夕や曇り天気の光度不足時も補助光を点灯する。

      今回は緊急対策として外側ではなく、ハウス内部にダンパーの代わりに遮光ネットを段階状にセットして間に合わせしています

      次の緊急対策として噴霧冷房装置の設置が課題です。現在、噴霧ノズルの噴霧形状、分布、到達距離等のテストを行い、配置や個数の検討をしています
      特に天井二層目の空間が既存部材を使用している為20〜30cmしか無く、霧が壁面に当るのでノズルの選定、取り付け方法に苦慮している処です
      ハウス特許の重要な一画をなす蓄熱槽の設備が今回の計画では一切省略された事が残念です

      夏(冬)季の最高(低)温度の持続する時はハウス内及び、冷温熱発生層では設定温度以上になったら噴霧冷房(温熱回収)を行い、其れでも冷(暖)気が不足する時は夜(昼)間に溜めた蓄熱槽から冷(温)風を補給するシステムです


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  • 第三章 今回の事業成果と将来の課題

  •  

    当初の湿度コントロールによる発芽不良、鉄分に因る発育不全等の対策も解決して、現在は下段中央部の光量不足が両サイドに比べ若干有るものの、全体の発育は順調です

    スペーサーを除いた種子の入ったパケットは1ユニットの1段目が1408個(1グループ8パケットのセットが1列に22個入っている)、2段目が528個、3段目が293個、4〜6段目が704個、合計2933パケットにほうれん草が栽培されている状態です
    今回の事業で設備した2ユニット総合計は5866パケットです(水路内全パケット数は10,912個)
    1パケット平均重量は50〜60gなので、35日サイクルで収穫するとして計算すると日産9.218Kgに為ります
    相手が生き物ですから管理ミスが有った場合は即、成育に影響が出ますから好く見ても90%=8.3Kgが好調の場合の成果と予想します
    サラダほうれん草の過去の月別特定小売店卸値平均実績が(別表−1)の様になっています

    この実績から特定小売店値では月平均204,180円位の売り上げに為ります

    サラダほうれん草の過去の月別地方都市卸値7年間平均実績が(別表−2)の様になっています(B級品も含んだ値段の為、当方には無農薬栽培の付加価値が有る)

    この実績から地方都市値では月平均157,816円位の売り上げに為ります

    現在の栽培面積は4棟のガラスハウスの内の1棟のその1/4(資材投入費約180万円)なので、経営的には最低4倍の1棟分は欲しい処です。そうしたら、月産約1,000Kgになり、約63〜82万円の売り上げが確保可能です

    4棟全ハウスで生産可能になれば、年間売り上げは3,030〜3,920万円に成ります

    将来の課題として、養液の加熱、冷却を兼ねた蓄熱槽、太陽光発電装置搭載の制御ダンパーや播種機の設備投資を行った場合のバランスシートの検討が必要になります
    又、他の場所で当プラントを建設する時は量産立体化の為、有効天井高を3〜4m位にしたいです
    其の場合には台風対策の風力発電装置も必要になるでしょう
     

    今回の能古島で建設したモデルプラントに限って言えば、新しい発想として、牛嶋先生もご指摘された様に、能古島を生かした都市近郊型の「観光農園」として活用出来ないか模索中です

    フェリーに乗ったら10分で渡れる、博多湾の中に浮かぶ花の島「能古島」の長閑な時間の流れと、島の豊かな自然を背景に、福岡の都会に住んでる多くの方々が「観光農園」としてエンジョイする事と食物を作る楽しみがドッキング出来ないだろうかと思っています

    最先端技術を駆使したハイテク施設の中で、一年中、安全な野菜、果物が収穫でき、新しい発想の「観光型農業」が観光の島「能古島」から誕生させたいものです。 島一周のウォーキングや目の前での海水浴、魚釣り等楽しみがいっぱいです
    観光産業、これに「作物を作る=遊び心」をプラスして新しい産業の創設が可能ではないでしょうか!!


  • 第四章
    「創業・起業化する為の調査研究」の委員会活動報告
    「創業・起業化する為の調査研究」のワーキング活動報告

    (省略)


  • 第五章
    付属資料

    (省略)

    (福岡市西区能古北浦)

    市営渡船で姪浜から10分=片道220円(小人110円)

    時刻表
    時刻表
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